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歴史と素適なおつきあい

青梅を訪ねて

歴史と素適なおつきあい                              2013・3・8(金)                
青梅宿を訪ねて
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映画看板のバス停留所

集合10・00 :JR青梅駅 改札口

青梅駅〜稲葉家住宅〜金剛寺〜釜の淵公園・駒木野遺跡〜「かんぽの宿」昼食(ランチ800円から1500円)〜レトロな青梅宿(青梅赤塚不二夫会館・昭和レトロ商品博物館・昭和幻燈館の3館共通割引券大人700円)〜住吉神社


青梅の歴史
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将門の誓いの梅

霊亀2(716)年、大和朝廷が、高麗人を武蔵に移し、高麗郡を創設した。しだいにこの渡来人が青梅市にも移住してきた。のちの戦国時代に石灰石を焼き、江戸城の壁を造ったが、石灰製法技術も渡来人のものと思われる。

中世には武士団が活躍し、この地域の武士は村山党と思われる。当時の青梅には荘園はなく、未開の地であったと思われ、鎌倉時代後半に、「杣保(そまのほ)」といわれるものが形成された。村山党は桓武平氏で、北多摩,入間、青梅を勢力範囲とし渋谷の金王丸(こんのうまる)追善に塩船観音の功徳天が祀られている。畠山重忠は青梅市西部を領し、御嶽神社には国宝の赤糸威鎧(あかいとおどしのよろい)が奉納されている。
その後、杣保の地を領したのが三田氏である。三田氏は中世初期にまだ領国が確立していない時期に勢力をのばしおそらく地頭であったと思われる。
このため畠山重忠没後、領したのが三田下総守平長綱だと思われる。

武蔵名勝図絵に「三田氏は平将門の後裔にして勝沼殿と称す。往古のことは詳らかならず、鎌倉将軍家に属す」とある。
将門の叔父平良文から姓が村岡、千葉、相馬、三田、師岡と名乗っていく。
この相馬から、「そまのほ」という地名になったという説もあるが、杣は中世では天皇や貴族が領した山林という意味である。
三田氏を名乗る頃には将門後裔説は決定的な事実になっていたようである。

「胤興(たねおき)は三田弾正常陸介と称し、その子胤勝は武州三田荘に将門宮を建立、その子興秀は武州師岡に住す」と位牌の裏に書かれていた。

青梅近くの棚沢に将門神社がある。師岡は横浜の師岡だろうか。
師岡熊野神社(港北区師岡町1,137番地)には将門伝説が伝わっている。
山川出版社・中丸和伯著・「神奈川県の歴史」に
「相模は天慶の乱とはかかわりがないようだが、将門の巡検のほか、弟将頼が相模に逃れて討たれているので、かれらの「伴類」となった百姓のいたことを思わせる。横浜市港北区師岡には将門をまつる熊野神社があるが、これは百姓が将門の武勇と反抗をたたえたなごりであろう。
この百姓とは、下人、所従を農業経営に使い、富裕化し武力をたくわえて将門の「伴類」となったものであった。」とある。
この話は宮司さんにお会いして確かめたが、「将門ですか。怖いですね。そんな話は聞いたことがありません」と言われた。
三田氏の関係からか、羽村、青梅、奥多摩、そして秩父の将門伝説は多い。
 江戸時代になって八王子城落城の落人が石灰焼成を生業としていたが、幕府直轄領となって、そこへ大久保長安がやってきた。石灰焼成に長安が加わり、江戸の漆喰(しっくい)として青梅街道で江戸に運ばれた。石灰が漆喰(しっくい)に訛り、青梅街道は白粉(おしろい)街道といわれた。石灰のほかに綿織物(縦糸に絹,横糸に綿の織物—青梅縞)、林業もさかんであった。
 明治になると敷布団の綿織物が作られ、機がガチャンというと萬円儲かるという「ガチャ萬」といわれるほど、活気があった。現在では、織物も林業も衰退し、古い町並みを利用した映画看板の町として町おこしをしている。

旧稲葉家住宅 青梅市森下町499
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稲葉家の青梅縞:博物館蔵
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稲葉家の布団の生地:博物館蔵
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稲葉家は、江戸時代後期の建築で、有形民俗文化財に指定されている。
林業、綿織物の仲買商で、青梅有数の豪商であった。

金剛寺  青梅市天ケ瀬1032
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山門
真言宗豊山派で、青梅山無量寿院金剛寺と号す。
本尊は白不動明王画像。33年に一度の開張という秘仏である。
承平年間(931〜938)の創建と伝わる。開山は寛空上人とされる。
山門は寛文年間(1661〜1673)に建てられ都の有形文化財になっている。
平将門伝説の梅の古木がある。将門がこの地で仏縁を結び、「我願成就あらば栄ふべし」と、一枝の梅をさした。その枝が根付き、今の梅の木になったので、「将門誓いの梅」といわれる。そして夏が過ぎても梅の実が熟さず青い梅のままであることから「あおうめ」と名付けられた。これが青梅市の地名のゆかりという。不思議な木と思われているが、「稚態保留」という現象でまれにあることという。吉田梅郷の元の梅はこの「誓いの梅」といわれ、その元になった滝上家の梅も「稚態保留」である。
滝上家は現在も大きな構えで、将門が立ち寄ったときには大目家といい、大目(だいさかん)という国司の役職をしていた。そのときに将門が梅を植えて家の屋敷神は将門の植えた梅であった。大目家は青梅と姓をかえ、滝の上に住んでいたので後に滝上という姓になったという。(将門ブログ)

釜ノ淵公園


多摩川が大きく蛇行し標高173mの段丘上に、駒木野遺跡がある。
縄文時代の遺跡で秀作といわれる縄文土器が出土した。
青梅郷土博物館
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博物館に展示されている顔面の土偶

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日本オオカミの剥製写真
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オオカミの骨・護符の版木が左端にある
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オオカミの護符 :小倉 美惠子 著  
川崎市宮前区土橋の作家で、オオカミの護符が自宅の蔵に張られていることから、このあたりの農家と山岳信仰のかかわりなど民俗が書かれている。
我が家近くにも農家の小屋の柱に張られている。
今でも都筑区は御嶽講が続いているらしい。我が家には檜原村から登山した大岳山の護符がある。

昭和幻燈館  
昭和の情景とジオラマ

青梅赤塚不二夫会館  
赤塚不二夫が映画看板を手がけたことが縁で青梅に、記念館ができた。

昭和レトロ商品博物館  
昭和のパッケージやおもちゃなど昭和の商品がおかれている。この2階に雪女コーナーがある。青梅の積雪は昔は1m以上あったという。雪女が現れてもおかしくない。小泉八雲の雪女という作品は青梅の調布村の人に聞いた話が元になったという。青梅の多摩川には調布橋があって、そこに雪女の碑が建てられた。調布橋から下流の方に渡し船があって、雪女が登場する渡し守の小屋があったという。昭和初期まで船着き場にはおかん女郎、雪女郎、雪女などといわれる女の人の目撃談があったという。
雪女の冒頭
武蔵の国のある村に茂作、巳之吉と云う二人の木こりがいた。この話のあった時分には、茂作は老人であった。そして、彼の年季奉公人であった巳之吉は、十八 の少年であった。毎日、彼等は村から約二里離れた森へ一緒に出かけた。その森へ行く道に、越さねばならない大きな河がある。そして、渡し船がある。渡しの ある処にたびたび、橋が架けられたが、その橋は洪水のあるたびごとに流された。河の溢れる時には、普通の橋では、その急流を防ぐ事はできない。
茂作と巳之吉はある大層寒い晩、帰り途で大吹雪に遇った。渡し場に着いた、渡し守は船を河の向う側に残したままで、帰った事が分った。

住吉神社
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狛猫の恵比寿様
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狛猫の大黒天様

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拝殿
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奥殿





参考:青梅市史・旧鎌倉街道探索の道 山の道編:芳賀善次郎・雪女:小泉八雲・青梅観光協会HP 東京都文化財HP・山口敏太郎の青梅の妖怪ツァー 将門ブログ
by gannyan1953 | 2013-03-08 22:53 | 東京都 歴史散歩 | Comments(0)
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by gannyan1953
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