歴史と素適なおつきあい

横浜市都筑区八幡山・港北ニュータウン

都筑区八幡山の変遷           2009年12月5日   

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八幡山に集う犬たち

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                 八幡山夕景 2011・10

字中村、現在の中川7-13にあり、面積約3万㎡ 標高36mの山である。
ここに遺跡があり、1977年7月から12月にかけて港北ニュータウン建設のため急ぎ発掘された。当時は山のまわりは森林と畑であった。早渕川の左岸に位置し多摩丘陵下末吉台地の主脈から早渕川にむかって南にのびる舌状台地を東漸寺裏台地という。八幡山遺跡はこの台地東側の低位台地上に位置する。台地の北に支谷がはいりこみ東中央にも浅い谷がある。東西70m南北85m
遺跡の西半分が緑地として残された。
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縄文早期~中期竪穴住居5・炉穴1・焼土5・土壙(どこう・落とし穴)15・土器石器(尖頭器)

弥生竪穴住居10・掘立倉庫1・土器1・炭化米

弥生~古墳竪穴住居28・倉庫1・土器

平安*住居1・炉穴2・土器・焼土・金くそ

*平安時代の住居は内部に焼土があり火災にあっているものと思われる。8~9世紀のもので、中央に炉が2か所あり鍛冶に関係しているとおもわれる。住居がほかにみあたらないので鍛冶の作業場だったか?!(港北ニュータウン地域内埋蔵文化財調査報告31)

八幡山の地名の由来は八幡社があったことからつけられた。最後の項の「八幡と源氏」を参照

八幡信仰が、関東に広まったのは鎌倉時代である。八幡神とは天平9年(737)に続日本紀にヤハタの神として登場する。その後、神仏習合で八幡大菩薩の神号が与えられた。祭神の応神天皇が八幡神であるとされていることから皇室の祖神ともされ、皇室から分かれた源氏も八幡神を氏神とした。八幡神は武神で鍛冶の神である。(ウイキペディア)

八幡社は明治44年(1911)一村一社制の命で大棚の杉山神社に合祀された。このとき吾妻山にあったお吾妻様こと吾妻社、センター北駅東にあった神明社もともに合祀された。八幡社は25坪の敷地であったが隣接した同じ25坪の敷地の御霊社は廃された。                 (中川の地名・吉野孝三郎)


遺跡図によると八幡社は南面にあったと思われる。矢崎橋から公園に向かうと階段がある。その上に祠があったという話を聞いた。

八幡社

近年まで八幡社があったとされる中川町内会館で毎年3月26日に祭礼が行われていた。祭礼を行わないと村が荒れるという言い伝えがあった。氏子を一軒一軒まわってもち米を集め、餅をついてなげ餅をした。早渕川の水神様、八幡様とお参りをして、そのあと町内会館で神主が神楽を舞った。このときに使用した神楽のお面が今でも剣神社に保管されている。(都筑の民俗) 宮司さんは剣神社の方だが、近くの杉山神社も多数兼任しておられ、新しく宮司さんになられているので、詳細はわからないといわれる。

第六天

杉山社にいつからかあるといわれるが、杉の森にあったころにはすでに存在していたらしい。天魔といわれ仏道修行を妨げる神である。平安時代から密教の自在天ともよばれた。相模、伊豆、武蔵には多い理由は武田が織田に敗れたとき民衆は占領軍(織田)への迎合として「第六天魔王」を自らの護符にした。一方武田の家臣から隣国北条氏に広まったといわれる。秀吉の小田原征伐のあと、北条、武田の家臣は権力から隠れるように百姓として定着を図りこれらの人々が第六天を担ぎこみ周囲の農民に民衆信仰として広め一部は常陸、東北まで逃げた。江戸幕府以降、民衆は魔王より身近な神に変えていった。第六天神として面足尊(オモダル)と惶根命(かしこね)の両神となり五穀豊穣、夫婦和合の神に変貌していった。ただこの地の伝承は近くの松が曲がる、祠を蹴ったら翌日起き上がれなくなったなどあまりいいものではない。昔から怖れられ明治期には人が近寄らなかったという。明治に修験道が禁止され民間宗教はそれに通じるので廃止、消滅が続いた。(祐泉寺HP)

八幡社の隣にあった御霊社

御霊信仰は、世の中に災厄をもたらした神を鎮め慰めることにより災厄から守ることから発し、有名な祭りが祇園祭である。祇園祭は厄病払いが祭りのはじまりである。御霊信仰は、奈良時代末からはじまりさまざまな形で祖霊信仰とともに日本人の信仰の基本となった。民間の御霊信仰は神事祭儀の場として御霊社を中心に民俗行事、民族芸能を生み、現代に伝えている。害虫駆除祈念の藁人形を仕立て、太鼓を打ちながら畦を行く虫送りや、雨乞いの呪術、念仏踊り、そして今も残る盆踊りはその代表的なものである。(横井清HP)武蔵国には権五郎景政が御霊社として多く存在する。八幡山では毎年盆踊りが行われている。

水神

早渕川に水神がある。農耕する人たちの田の神である。象徴として河童、蛇、龍などがある。八幡社の祭礼の日は、この水神のお参りから始まった。

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2013・3・29


宗教法人 杉山神社移築記念碑

横浜市は昭和40年2月、六大事業の一つとして「横浜国際港都建設事業・横浜北部新都市土地区画整理事業」を発表、同49年建設大臣の事業認可。横浜市高速3号線の免許取得、着工に至る。
杉山神社は中川町1084番地から同町757番の元吾妻社の跡地へ58年11月30日仮社殿を設けここに遷座し、元旦祭・大祭は此処で執行された。換地も間近く建設委員会の結成に着手、資金計画に入る。
移設補償金と寄付金を念頭においたが、神社地の一部80坪を売却し基金とすることに決し、その承認を神社本庁に申請し、同時に社殿・社務所・鳥居等の新築・改築・移築をも承認された。
平成4年4月、中川町1194番地に仮換地指定された社殿は木造とし長野県諏訪市大字四賀、株式会社石田組と、同5年3月工事契約を結び6年9月竣工し、同10月13日祭神勧請と配神遷座式を行い社務所・鳥居・付属建物・植栽等の完成を待ち平成7年10月15日遷宮式典と落慶祝賀に及ぶ。
御霊璽については杉山神社と最も由緒深いとされている和歌山県の伊太邪曽神社へ赴き親しく御分霊を受け五十猛命の霊璽を拝受し御主神日本武尊と並び崇め祭る。
社頭掲示板
杉山神社碑銘

武蔵国都筑郡大棚郷杉山祠祭日本部尊延喜式所謂四十四座之一而是為杉山明神本祠蓋大棚之為郷和名称載都筑七郷内綴喜店屋郷後為大店又称大棚郷実為式兵部省所謂武蔵国四駅之一郷中有古道蹠今尚寂然可尋有地称宿根入者武蔵演路以為駅址又荒原往往出有文古瓦郷人以為古駅之徴続日本後記曰承和三年二月授武蔵国無位杉山名神従五位下蓋謂此祠也又聞昔者祠在後山一旦罹災因従之於山下天正十九年所製□籍載祭田四□五拾六歩至文禄三年為 官所収遂□祭田而方今因循伝訛以郷為村祠亦殆廃天保五年別当龍福寺住僧長伝深慨其祠之衰替之□其所伝之神璽以請白川神祇官総司乃賜以杉山神社四字題額実係神祇伯雅寿王所書掲之於祠前焉間者村民恵吉□相謀将立碑書其顛末以伝無窮而請文於余乃記其所説又係以銘曰
白鳥之神英武之質西伐東討偉功無匹杉山古祠久就埋没貞□載文神威斯述
嘉永五年歳次壬子嘉平月 林司成家塾都講河田興撰并書
社頭石碑

八幡と源氏


現在、神社の数をランキングすると1位は稲荷社、2位八幡社、3位神明社である。2位の八幡社の総大社は豊前国宇佐神宮(大分県宇佐市)である。宇佐神宮は応神天皇の御神霊を祀っている。人間、天皇を祀ったはじめての神社である。

司馬遼太郎の「この国のかたち」によると
八幡神は5世紀初頭朝鮮半島から渡来し、宇佐にすみついた人々によって生まれた神であるという。
東大寺の鬼門にある手向山神社は東大寺の守護神として宇佐神が鎮座している。
仏教との習合に積極的で、仏教側から「八幡大菩薩」の尊称を賜った。
平安時代になると平安京の裏鬼門に岩清水八幡宮が勧請される。
清和源氏は 清和天皇の第6皇子貞純親王を祖とする。
貞純親王の孫多田(源)満仲から諸家に分かれ地方の実力者として成長していく。
源氏と八幡とのかかわりが深くなる のは、後々に武家の棟梁となる満仲の三男源頼信一家で、
その孫義家は岩清水八幡宮で元服する。

ここから「八幡太郎義家」とよばれるようになり、源氏の氏神 として祀られるようになる。


by gannyan1953 | 2011-05-07 19:00 | 港北ニュータウンの歴史・老馬 | Comments(0)
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